わたし達は、様々な『つながり』を持っているからこそ、
たのしく豊かな生活をしているのだと想います。
人とのふれ合いの中で色んなことを学ぶから、大人になっても成長していけるのではないでしょうか。
家造りの視点から言えば、間取りは家族との『つながり』を結んでくれる大きな役割を持っています。

日々の暮らしを大切に考えるということは、家族の関わり方を大切に考えることです。
間取り次第で家族のコミュニケーションや生活スタイルが大きく変化します。
社会的には、相手の身になって考えられない思いやり不足や、
個人優先の考えからコミュニケーションがとれず孤立してしまう人もいるのが
今の世の中なのかもしれません。
無意識のうちに間取りが家族を疎遠にしてしまうケースもある。
『社会とのつながり』や『家族のつながり』・・・これは家庭という単位が基盤になって
発信していくもので、住まいは人間形成の大切な器であると想います。
となると・・・間取りを考えるということは、
きっと『そこに住まうご家族の未来を左右する』ということになるのでしょうね。

だからこそ時間をかけてお客さまとじっくり向き合いたい・・・
そうすることで、新しい視点に気づいたり、新しいものと出会えたりするのです。
家族のつながりを左右する空間を考える時は、ハッキリしたイメージがつかめていなくても
私たちと一緒に考えればいいのです。

お客さまから出た何気ない一言から、見えない未来を想像するのが私たちの役目。
見えない空間のイメージを伝え、形にするのが、造り手とお客様とのつながりなんです。
たくさんの光が入る家は無条件で心が豊かに感じます。
昼間は、しっかりと光を取り入れることは基本ですね。
人に豊かさややすらぎ、色んな感情を与える『光』ってステキです。

夜は眠りにつくための『光』があります。蛍光灯の青白い光ではなく、
寝る前の30分間は白熱灯のあたたかい光をあびると穏やかな眠りにつけるそうです。
照明選びも楽しいですが、お部屋の用途やシーンに合わせて、
建築段階で間接的な光の計画をすることも大切だと思っています。

家造りに関してお客さまひとりひとり考え方や好みも違いますが、
お話していくと『ここがポイント!』というものが必ず見つかります。
ピカッと光るそのご家族のポイントを 逃さずキャッチして
『光』をあててあげることが私達の仕事なのだと思います。
家を持つことによって生まれる感情があると思います。
例えば、昔から履いているお気に入りの靴を大切に想うように・・・
時間をかけて自分の足に慣らしていった靴は、どの靴よりも思い入れは強くなる。

そんな感情は、家にも通ずるものがあるのではないでしょうか。
家を持つことによって物を大切にする気持ちが生まれたり、早く帰りたくなったり・・・

家を新しくしたという表面的なことだけでなく、
内面的にイイ感情が生まれることが、本当にイイ家なのだと想います。
家に対する想いは十人十色です。
人の数だけ暮らしがあり、そこにはひとつとして同じものはありません。
生活している環境やライフスタイルによってみなさん叶えたいことは違うもの・・・
だから理想は、ひとりひとりの為にオリジナルで造ることなんです。

たくさん話をして、感じ取る・・・
ご家族の雰囲気や何気ない言葉からヒントは見つかる。
たくさんの素材や物で出来る家も、そのヒントに沿ってバランスよく考え、
組み合わせていく。小さなヒントから、大きな家が完成するのです。
そして、家族の数だけ、それぞれの『ものがたり』が生まれるんです。